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【サバクネズミカンガルーとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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「サバクネズミカンガルー」とは

サバクネズミカンガルーは、双前歯目、カンガルー型亜目、ネズミカンガルー科に属する、小型のカンガルーの仲間です。

体長27~44cmと小柄ですが、尾は35~38cmと、ネズミカンガルーの仲間の中では最も長いとされています。

307~377㎜にわたる長い耳を持っており、カンガルーやワラビーとは異なる特徴を持っています。

吻が短く、両眼間隔が離れており、顔が特徴です。

体色は淡い黄褐色で、砂漠の中で目立たないよう、環境に適した色をしています。

腹部と手足は白色をしており、四肢は茶色を帯びた橙色をしています。

前肢は非常に小さく、骨の重さは1gしかないといわれていますが、後肢はしっかりしており、12g程度あるといわれています。

この後肢を使い、ジャンプして移動していたようです。

主に草食性ですが、カブトムシやゾウリムシなどの昆虫も食べることがわかっています。

「サバクネズミカンガルー」の分布・生息地

サバクネズミカンガルーは、オーストラリアのクイーンズランド州南西部と、ノーザンテリトリーの国境を超えて広がる地域に生息していたといわれています。

半砂漠地帯に生息し、乾燥に強いことから水場から離れたところにも生息していたと考えられています。

群れは作らず、基本的に単独で生活していたようです。

砂地の浅いくぼみの上に、尾を使って草や小枝を集めて巣をつくり、生活していたという観察記録が残っています。

日中のほとんどはこの巣の上で生活し、草や小枝の隙間から周囲を観察していたようです。

夜行性の動物で、夕方から夜になると巣から出て、餌をしていたと考えられています。

「サバクネズミカンガルー」の絶滅した理由

サバクネズミカンガルーは、1935年にオーストラリア南部、エーア湖盆地東部で観察されたのを最後に、絶滅したといわれています。

その原因として、オーストラリアでは18世紀の初めに、キツネ狩りをスポーツとして楽しむために、イギリスからアカギツネが移入されたことがあげられています。

移入されたキツネが野生化し、サバクネズミカンガルーが捕食されたり、生息環境を荒らされたりしたのではないかと推測されます。

「サバクネズミカンガルー」の生き残りの可能性

サバクネズミカンガルーは、1840年代に初めて確認されていますが、その後90年間もの間記録が残っていません。

このことからも、1840年代の発見を最後に絶滅したと考えられていました。

しかし、1932年に、オーストラリアの哺乳類学者である「ヘドリー・フィレイソン」により、繁栄しているコロニーが発見されました。

このコロニーは数年間繁栄を続けていましたが、1935年を最後に確認されていません。

その後も、1956年~1957年、1974年~1975年と目撃情報はあるようですが、どれも正確な根拠は得られず、1994年には絶滅が宣言されています。

サバクネズミカンガルーは、一度絶滅したといわれてから再発見され、また再び絶滅してしまった唯一の哺乳類種です。

このことからも、再び目撃情報がある可能性もあり、慎重に調査を進める必要があると考えられます。