「カリブー」って何でしょう。
実は、北アメリカ大陸で生息するトナカイの個体のことを「カリブー」というんだそうです。
日本で暮らしている私たちにとっては、クリスマスにそりを引いてやってくるくらいのイメージしかないかもしれませんが、意外にもたくさんの種類がいるのです。
そのうちの一つ、ヒガシグリーンランドカリブー。
グリーンランドで暮らしながら、滅びの道をたどったためにサンタクロースの相棒になり損ねた彼らは、いったいどんな生活をし、どうして絶滅してしまったのか。
今回はそんなヒガシグリーンランドカリブーについてまとめてみました。
「ヒガシグリーンランドカリブー」とは
身体的特徴
トナカイの仲間なので、その特徴は概ね一致していると言えるでしょう。
大きな体にこれまた大きな角を持ち、胸元は豊かで長い毛に覆われています。体色は灰色で、背中だけが濃い茶色だったそうです。
生態的特徴
現存するトナカイとの大きな違いは、その生活スタイルでしょうか。
トナカイは基本、数百頭から時には数万頭にまでなる大規模な群れで生活していますが、ヒガシグリーンランドカリブーはたった6~7頭の小さなグループを作って行動していたというのです。
草食の動物で、特に苔を好んで食べていたのだとか。
「ヒガシグリーンランドカリブー」の分布・生息地
名前の通り、北極圏のグリーンランド島東部に生息していました。
グリーンランドと言えばサンタクロースですよね。
彼らもサンタさんと一緒にプレゼントを配っていたことがあるかもしれません。
「ヒガシグリーンランドカリブー」の絶滅した原因
もともと彼らは先住民たちにとって重要な食料でした。
また、寒い地域でもあるので、毛皮を求めて狩られることもあったようです。
狩猟によって徐々に数を減らしていたヒガシグリーンランドカリブーでしたが、先住民が移動していったこともあり、19世紀の末までは安定した数が維持されていたと言います。
しかしその後、ホッキョクオオカミがエサを求めてグリーンランドに渡ってきたのです。
ホッキョクオオカミは冬になるとトナカイを求めて2600平方㎞もの広範囲を歩き回ることもあったと言います。
食べ物も限られた氷原であればなおさら、その執着はすさまじいものだったのでしょう。
ホッキョクオオカミはひたすらにヒガシグリーンランドカリブーを追い続け、絶滅のふちへと追いやってしまったのです。
「ヒガシグリーンランドカリブー」の生き残りの可能性
ホッキョクオオカミによって、わずか一年足らずで数が激減。1900年には絶滅してしまったとされ、その後の目撃情報もありません。
まとめ
人間に狩られ、弱肉強食の生存競争にも敗れてしまったヒガシグリーンランドカリブー。
彼らがもし、もっとうまく立ち回り、今日まで生き延びていたとしたら、クリスマスのヒーローとしてあがめられていた今があったかもしれないと思うと、少し気の毒に感じてしまいます。