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【ワキアカカイツブリとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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「ワキアカカイツブリ」とは

ワキアカカイツブリは、カイツブリ目カイツブリ科に属する鳥類です。

体長は約25cmと小柄で、くちばしは黒く、先端は淡色になっています。

眼の中にある虹彩は褐色で、後肢が灰色です。

体の色はシーズンによって異なり、繁殖期は頭部の毛が黒くなり、体表上部の毛は暗褐色になります。

繁殖期でない時期は、頭部の毛も体上部の毛も褐色になります。

羽根が小さく、飛行能力にあまり長けておらず、長期飛行は制限されていたのではないかと考えられています。

「ワキアカカイツブリ」の分布・生息地

ワキアカカイツブリは、アフリカ大陸の南東海岸部から沖へ約400km離れた、南インド洋にあるマダガスカルの固有種です。

マダガスカルの中北部に位置する、アラウチャ湖に生息していました。

アラウチャ湖は、水深が浅く、湖岸や湖面には水生植物が多く繁栄しています。

餌は主に魚類で、他のカイツブリと同様に巧みに潜水し、獲物を捕食すると考えられます。

同じカイツブリの仲間では、1回に平均15秒前後潜水し、時速2mもの速さで泳ぐことが知られています。

また、基本的には水上で生活しており、陸上を歩くことはほとんどないようです。

脚は、歩くためではなく水をかくためにあると考えられていて、脚が生えている位置も他の水鳥と少し違っています。

また、ワキアカカイツブリは季節による渡りは行わなかったとされています。

「ワキアカカイツブリ」の絶滅した原因

ワキアカカイツブリは。2010年に絶滅が宣言されています。

その原因として考えられるのは、人間による生息地の破壊やハンターによる狩猟、または他のカイツブリとの交雑と、人為的に移入された、タイワンドジョウ科タイワンドジョウ属に属する、「プラーチョン」というドジョウの仲間による影響で、個体数が減少したと考えられています。

1985年以降の目撃情報はなく、1990年には生息数は20ペア未満だったのではないかと推定されていました。

マダガスカルでは、ワキアカカイツブリだけでなく、多くの生き物が絶滅・または個体数が減少しているともいわれています。

マダガスカルでは、1950年ごろに存在した森林の40~50%が、2000年ごろまでに喪失したとのデータもあるようです。

こうした影響が、ワキアカカイツブリの絶滅の原因にも関与していると考えられます。

「ワキアカカイツブリ」の生き残りの可能性

ワキアカカイツブリは、マダガスカルの固有種であり、限られた場所にしか生息していませんでした。

その中でも、1985年以降の発見例はなく、あったとしてもカイツブリとの主観雑種である可能性が高いと考えられています。

これらのことにより、鳥類の保護を活動目的とする国際環境団台である「バードライフ・インターナショナル」は、生存の望みはのこっていない、と述べているようです。