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【ムコジマメグロとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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「ムコジマメグロ」とは

全長約12〜14cm程の大きさの日本の固有亜種で、メジロの仲間に分類されています。

尾羽と翼は暗い褐色で外縁がオリーブ色、背面は灰色がかった暗いオリーブ色をしています。

腹側は淡い黄色、翼の脇は灰色っぽい羽毛があり、頭部は若干黄色みがかったオリーブ色ですが、額にT字状の黒い帯模様と目の後方から頬にかけて三角形の黒い模様があります。

目の周りが白いメジロと違い、目の周りに黒い羽毛があるため「メグロ」と名付けられました。クチバシは黒いですが、根元の両端に黄色い模様があり、足は青灰色です。

食性は雑食性でガガンボやクモ等を捕食する以外に花の蜜や花粉、果実も好んで食べていたとされています。

普段は群れを作って生活しており、「ヒーヨヒーヨ」と鳴くそうですが、警戒すると「キキキ…」と鳴いたそうです。

好奇心が旺盛なため、人のすぐ近くまで飛んでくる事もあったという話も残っています。

聟島では5月頃に繁殖期を迎え、淡い青緑色に灰褐色〜紫褐色の斑状の模様がある卵を産卵したそうです。

巣は島内にあるクロテツやモクタチバナ、シマシャリンバイ等が茂る林の中で作られ、枯れ葉やタコノキの繊維、ヤギの毛や別種の鳥類の羽毛を材料にしていました。

「ムコジマメグロ」の分布・生息地

小笠原諸島の聟島、媒島、父島に生息していたとされており、名前の元になった聟島では海岸付近にあるシマボウの林や内陸部のオガサワラタコノキの林に生息していたという記録があります。

「ムコジマメグロ」の絶滅した原因

主な絶滅原因はムコジマメグロの生息地に人間が入植し、土地の開発を行った事で繁殖や餌の場所を奪われた事が原因と考えられています。

1828年には父島で標本が採取されましたが、それ以降は1910年11月まで新たな標本が採取される事はありませんでした。

聟島、媒島では1889年にそれぞれ標本が採取されました。

しかし、媒島は1930年1月に標本採取のために人員が送られましたが、すでにムコジマメグロの姿は無く、絶滅した事を確認しています。

聟島の個体はこの時点ではまだ生息が確認されており、5月には巣や幼鳥も採取され、ムコジマメグロの繁殖を確認したそうです。しかし、それを皮切りに聟島で確認される事はありませんでした。

1941〜1942年には聟島でメグロの姿を見なくなったという記録もあり、ムコジマメグロは絶滅したと考えられるようになりました。

「ムコジマメグロ」の生き残りの可能性

すでに絶滅したと考えられているムコジマメグロですが、戦後、東京都立の大学からやって来た調査隊がその姿を確認しているという記録が残っています。

写真やスケッチ等の詳しい証拠がないため確実にムコジマメグロなのかは不明です。

しかし、確証は無くてもメグロの発見は奇跡なので、もしかしたら島内に残された林の中で細々と暮らしているのかも知れません。

今ではこの貴重な姿は国立科学博物館で見る事ができます。標本ではありますが、その悲しくも可愛らしい姿は人と動物の関わり方を考えさせるキッカケになり得ると思います。