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【ミカヅキツメオワラビーとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性

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「ミカヅキツメオワラビー」とは

ミカヅキツメオワラビーは、有袋目、カンガルー科に属する、ワラビーの一種です。

体長は約50cm、尾の長さは約30cmだったといいます。

肩の後ろあたりに三日月状の斑点模様があることから、名前に「ミカヅキ」とついています。

また、「ツメオ」というのは、尾の先に3㎜程度の爪状の突起があることから名づけられているようです。

体色は、褐色を帯びた赤色で、お腹の部分と腰の側面は淡いクリーム色です。

オーストラリアの先住民であるアボリジニーの間では、ミカヅキツメオワラビーの独特の行動でもある手をぐるぐると回す様子から、「手回しオルガン弾き」とも呼ばれていたようです。

1907年にはオーストラリアで普通に見ることができていましたが、1933年から徐々に個体数が減少し、1964年には絶滅したと考えられています。

「ミカヅキツメオワラビー」の分布・生息地

ミカヅキツメオワラビーは、ウエスタン・オーストラリア州南部に位置する、サウス・オーストラリア州と、オーストラリア大陸の中央部に分布していました。

低木林やユーカリ林を好んで生息し、茂みの中に浅く掘ったくぼみを作り、日中はそこで生活しています。

夜行性で、日が落ちてから活動し、様々な草の根を食べていました。

カンガルーと同じように、メスはお腹に赤ちゃんをいれる袋を持っており、危険を察知すると赤ちゃんをお腹の袋にいれて逃げますが、場合によっては樹洞などに子どもを隠して逃げ、後で迎えに来るといった行動をみせることもあったようです。

特徴である、尾の先についている爪状の突起は、尾を支えにして立つ時や、餌などを集めるときに役立っています。

「ミカヅキツメオワラビー」の絶滅した原因

ミカヅキツメオワラビーの生息地であったオーストラリアの先住民であるアボリジニーは、狩りをする際に犬を使っていました。

その犬が野生化し、ミカヅキツメオワラビーをはじめとした野生動物を襲うようになってしまったのです。

また、オーストラリアに他国からの移民が増えていくにつれ、土地開発によって生息地が減少してしまい、ミカヅキツメオワラビーの個体数も徐々に減っていきました。

さらに、人間たちはハンティングをスポーツとして楽しむためにアナウサギなども移入し、野生に放ちました。

環境に適応したアナウサギは繁殖を繰り返し個体数を増やしていきました。

その一方で、ミカヅキツメオワラビーの生息地などはアナウサギによっても奪われてしまいました。

また、ミカヅキツメオワラビー事態も、スポーツハンティングの対象となってしまったともいいます。

こういったいくつもの原因が重なり、ミカヅキツメオワラビーは絶滅してしまったと考えられています。

「ミカヅキツメオワラビー」の生き残りの可能性

オーストラリアでは、様々な環境保護団体が絶滅した生き物の調査や、保護活動を行っています。

そういった活動が積極的になされている中で、これまで再発見の情報がないため、ミカヅキツメオワラビーが現在生き残っている可能性はきわめて少ないと推測できます。

ミカヅキツメオワラビーに限らず、オーストラリアではいくつものワラビーの仲間やカンガルーの仲間が絶滅、または絶滅の危機にさらされています。

その原因のほとんどは、私たち人間によるものです。

人間の棲む環境をより暮らしやすくすることも大切なことですが、そこに棲む他の生き物たちや、生態系を守りつつ、うまく共存できる環境を作っていく必要があるでしょう。