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【チャタムシマクイナとは】生息地や絶滅した原因・生き残りの可能性まとめ

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チャタムシマクイナという鳥を知っていますか?

チャタムシマクイナとは、かつてチャタム島に生息していた飛べない鳥の名前です。

今は絶滅してしまった、こちらの鳥を紹介します。

チャタムシマクイナとは

名前チャタムシマクイナ
学名Gallirallus dieffenbachii
英名Dieffenbach’s Rail
別名Hypotaenidia dieffenbacha (チャタムオビクイナ)

チャタムシマクイナの形態

チャタムシマクイナは体長30cm、重さ340gほどの、翼の短い飛べない鳥です。

くちばしは湾曲していて、王冠、うなじ、顔は濃いさび茶色をしており、目の上には灰色のしま模様があります。

背中と胸の羽は黄褐色と黒色で、こちらもしま模様になっており、首と腹は黒と白でおおわれていました。

尾は赤みがかった黒色で、目は赤褐色をしていました。

同じく絶滅してしまったチャタムクイナとは極めて近縁ですが、違う種類になります。

チャタムクイナとは、同じくチャタム島に生息していた飛べない鳥で、地上で生活していました。

こちらもネズミなどによる捕食や、人間による野焼きなどの生息地の破壊によって、1890年から1900年の間に絶滅してしまいました。

しかしチャタムクイナは、チャタムシマクイナとの生存競争に敗れてしまったという説もあります。

進化の歴史

絶滅したチャタムシマクイナと、チャタムクイナは、後段で紹介する三つの島で同所性でした。

同所性とは、地理的に隔離されていない環境にもかかわらず、動物の生殖が隔離され、種が分かれることを意味します。

形態学的、また遺伝的証拠から、飛べない彼らが同じ飛行性の祖先から進化したことを表しています。

推定上、チャタムシマクイナは、その祖先であるナンヨウクイナよりも大きく丈夫な鳥でした。

このナンヨウクイナもあまり飛ぶことはなく、危険を察知すると走って逃げることが知られています。

研究の結果、飛行に関する上腕骨や胸骨は、この鳥よりもチャタムシマクイナの方が小さいことから、彼らが空を飛べなかったことは明らかとされています。

またチャタムシマクイナは広い環境に適応し、エサを食べていた鳥だった可能性が指摘されています。

チャタムシマクイナの生息地

チャタムシマクイナは、チャタム、ピット、マンゲレ島で骨が見つかっています。

この鳥は島に固有の種で、チャタム島のモリオリと呼ばれる原住民には、「メリキ」、または「メホリキ」と呼ばれていました。

チャタム島はニュージーランド南島東海岸沖の約1000kmに位置する南太平洋上の島で、チャタム諸島の中で最も大きな島になります。

生息場所

チャタムシマクイナは、島の森林や海岸線に沿って生息していました。

原住民は茂みの中で、チャタムシマクイナの短くて甲高い声をよく聞いたといいます。

簡単に近づくことができ、卵は小型のニワトリの卵ほどの大きさでした。

絶滅した原因

捕食と野焼き

外部から持ち込まれ、数が増えたイヌやネコ。またノルウェーや太平洋からのネズミによる捕食から、チャタムシマクイナは絶滅しました。

また、火事や人間が行った「野焼き」などによる生息地の破壊も、絶滅の原因とされています。

絶滅した鳥たち

チャタム島では、チャタムシマクイナに加え、チャタムクイナ、チャタムシマゼッカなどの鳥たちがすでに絶滅しています。

特にマンゲレ島では22種もの鳥が絶滅してしまいました。

生き残りの可能性

唯一のチャタムシマクイナの標本は、博物学者で探検家でもあった「エルンスト・ディーフェンバッハ」によって1840年に捕獲されました。

この標本は大英博物館に送られ、その名誉にちなんで名づけられました。

しかしそれ以降は発見の報告はなく、これが最後の標本となってしまいました。

この頃、1840年にはチャタムシマクイナはすでに数が減少しており、1872年までには絶滅してしまいました。