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【ケープアカハーテビーストとは
】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性

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長く強い角に、紳士のようなたたずまい。

かつて南アフリカには、このケープアカハーテビーストが大地を覆うほどたくさん暮らしていました。

しかし彼らもまた、人間の身勝手と無知によってその身を滅ぼすことになったのです。

彼らの生態と、絶滅までの歩みを追っていきましょう。

「ケープアカハーテビースト」とは

身体的特徴

体毛は赤みがかった褐色で、頭と足に黒いまだら模様があり、尻尾には黒いフサ毛が生えていました。

かぎ状の角は長さ70㎝にもなり、ナワバリやメスをめぐって戦うときの武器になりました。

細く長い脚は前脚の方がやや長く、ぎこちない走り方の原因になっていました。

生態的特徴

一頭のオスをリーダーに、群れをつくって生活していました。

生後2年程度でオスはグループを作り、もともとリーダーだったオスに挑戦していったそうです。

また、敵を見つけてもすぐには逃げず、振り返ってその姿をじっくりと確認する習性がありました。

これはのちに絶滅への後押しをしてしまうことになります。

「ケープアカハーテビースト」の分布・生息地

南アフリカ大陸のケープ地方、その中でも乾燥したサバンナや草原を好んで拠点にしていました。

「ケープアカハーテビースト」の絶滅した原因

さまざまな不幸が、ケープアカハーテビーストを絶滅へと追いやっていきました。

まずは、ヨーロッパからたくさんの移民がやってきたことです。

ケープアカハーテビーストの大群は、彼らから食料の不足に対する杞憂を奪うには十分でした。

また、移民の連れてきた家畜のウシに伝染病をうつすという、あらぬ疑いをかけられてしまったため、ケープアカハーテビーストは見境なく撃ち殺されていきました。

敵を見つけてもなかなか逃げようとしない彼らは撃ち取るのはさぞ容易だったことでしょう。

ヒトだけでなく、ハエとも戦わなければならなくなりました。

鼻の穴に寄生し肉を食い破るハエの幼虫に、彼らは体力を奪われていきました。

そしてついに1883年には、野生の個体は全滅してしまいました。

不幸中の幸いは、モー家という農家の家族が、生き残った群れを自分たちの農地で保護したことです。

彼らの尽力のおかげで、1938年には55頭にまで数が回復しました。

しかし、群れの命は風前の灯にすぎませんでした。

1938年にモー家は破産し、農地を売り払うことになってしまったのです。

小さな安息の地で細々と生きてきたケープアカハーテビーストは、残酷にもすべて撃ち取られてしまいました。

「ケープアカハーテビースト」の生き残りの可能性

ケープアカハーテビーストは、いまや毛皮と書物の挿絵でしか、その姿を確認することは叶いません。

目撃情報もなく、1940年には完全に地球から去ってしまいました。

まとめ

大地を埋め尽くすほどの大群があっさり消えてしまうなど、だれも予測できなかったでしょう。

恐ろしいのは、このような例は一つだけではないということです。

リョコウバトも、カロライナインコも、消えてなくなるなんて皆考えもしなかったのですから……