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【キタシロサイとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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「キタシロサイ」とは

キタシロサイは、奇蹄目サイ科シロサイ属に属するサイの仲間で、シロサイの亜種とされています。

1970年代に、酷い密猟により急激に個体数が減少し、1990年代には個体数が1000頭以下となりました。

1990年後半には、内乱の後にほぼ姿を消し、2008年には野生絶滅したと宣言されています。

飼育下においては、チェコ共和国のサファリパークに属しており、アフリカのケニアにあるオルペジェタ保護区にて生存しています。

この生存個体は、メスの2頭のみで、一緒に輸送されたオスの「スニ」というドヴールクラーロヴェ動物園で産まれた個体は、2014年にオルペジェタ保護区で自然死しています。

また、最後のオスであった「スーダン」という個体も、2018年3月19日に死亡しています。

「キタシロサイ」の分布・生息地

キタシロサイは、サハラ以南の東アフリカと中央アメリカのいくつかの国で目撃されていました。

主な生息域は、草原やサバンナの森林地帯の放牧地で、シロサイと同様に数頭からなる小規模な群れを形成していたと考えられます。

餌は植物食で、主に地面付近にある背の低い草を食べていましたが、稀に木の葉を食べることもあったようです。

「キタシロサイ」が野生絶滅してしまった原因

キタシロサイは、現在オルペジェタ保護区にて生存個体はいるものの、野生化においての目撃情報はなく、2008年には絶滅したと宣言されています。

その原因として考えられているのは、人間による密猟です。

キタシロサイを含むシロサイと角は、中華人民共和国において、薬用になると信じられていました。

また、中東では短剣の柄に用いられるなどして、人々の需要は高かったようです。

このように、角の需要が高かったことから、たくさんの個体が乱獲され、個体数は減少してしまいました。

実際、シロサイの角の成分は、人間の髪の毛や爪と同じ「ケラチン」というタンパク質で出来ており、科学的にみても薬効成分はほとんど期待できなかったようです。

個体数が減少したことをうけ、保護団体による必死の保護活動が行われましたが、90年代後半のコンゴ民主共和国(旧ザイール)の内戦勃発語、活動の継続は困難になり、内戦が収まったときにはキタシロサイはすでに姿を消してしまっていたといいます。

こうした人間の不確かな情報や、内戦により、キタシロサイは絶滅に追いやられてしまったと考えられます。

「キタシロサイ」の今後の繁栄

現在生き残ているキタシロサイは、メスの2頭のみです。

よって、そこから繁殖し子孫を残すことは難しいでしょう。

まだオスが生存している時に、人工授精も試みられましたが、成功には至らず、オス個体も死亡してしまいました。

体外受精も話題に上がっているようですが、どの程度信憑性のあるものなのか、確かな情報はありませんでした。

今後できることとすれば、現在生き残っているキタシロサイと、他のシロサイの亜種であるミナミシロサイを交配させ、キタシロサイの遺伝子を残していくということも考えられますが、純粋なキタシロサイの遺伝子を残すことは難しいでしょう。

また、ミナミシロサイも、個体数が減少してきているといわれています。

こうした現状を踏まえて、私たち人間は、密猟や違法取引が及ぼす野生動物への影響についても考えていかなければなりません。