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【カモノハシガエルとは】形態や生息地・絶滅の原因まとめ

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カモノハシガエルを知っていますか?

別名、イブクロコモリガエルとも呼ばれる、絶滅してしまったカエルです。

この種はなぜそんな名前で呼ばれているのでしょうか。カモノハシガエルについて、ご紹介します。

カモノハシガエルとは

名前カモノハシガエル
英名Southern gastric brooding frog
学名Rheobatrachus silus

形態

オスは体長3.3~4.1cm、メスは4.5~5.4cmと、平均的にメスのほうが大きな体をしています。

背面の皮膚はさめはだ状か、顆粒状をしており、その色は褐色や黄褐色、黒色で、不明瞭な暗色班が入っています。

目から前足の付け根にかけて、暗色の筋模様が入ります。

四肢の背面には暗色の横しま、指や水かきには褐色の斑紋が入っていて、腹面側は白く、淡黄色の斑紋があります。

繁殖

カモノハシガエルは卵生で、11月から次の1月にかけて、18~25個の卵を産みます。

一匹のカエルが一度に産む卵の数が、平均1000個。

ウシガエルにいたっては10000個に及ぶことを踏まえると、非常に少ないです。

しかし、その数がカモノハシガエルにとってはちょうどいいのでしょう。

彼らの卵は、母親の胃の中で育てられるのです。

カモノハシガエルの母親は、受精卵を飲み込んでしまいます。

すると胃の中の胃酸の生成が止まり、そこは即席の子宮となります。

そして卵は母親の胃の中で孵化・変態し、母カエルは6~7週間後に変態した幼体、つまりオタマジャクシを口から吐き出すのです。

オーストラリアのカモノハシガエル

カモノハシガエルは、キタカモノハシガエルとの2種に分類され、どちらもオーストラリア、クイーンズランド州の東部にある、熱帯雨林の限られた渓流に生息していました。

山地にある湿潤広葉樹林内を流れる、岩の多い渓流でカモノハシガエルは暮らしていました。

水棲、夜行性で、昼間は岩の下などで休んでいました。

カモノハシガエルの絶滅の原因

発見当初から個体数が少なく、生息数は標高350~800mの川沿いに限られていました。

そこへダム建設や森林伐採があってさらに数が減り、人間が持ち込んだカエルツボカビで絶滅してしまったと言われています。

真菌、カエルツボカビによって、カエルツボカビ症は引き起こされます。

これは両生類にとっての致死的な感染症で、野生の個体群ではこの疾病に対して効果的な対策は存在しません。

この病気は北米西部・中米・南米・オーストラリア東部で劇的な両生類の減少、または絶滅を引き起こしてきました。

この病気によって、世界の両生類種の30%が減少してしまっているのです。

カエルツボカビは、カエルの体表に寄生、繁殖し、カエルの皮膚呼吸を困難にさせます。

カエルツボカビ症を発症してしまうと、その個体は食欲が減衰し、ひどい場合は体が麻痺し、死んでしまうこともあります。

絶滅と復活

カモノハシガエルは1973年、キタカモノハシガエルは1984年に発見されました。

どちらもたった数年後の1980年代半ばまでに姿を消してしまい、絶滅してしまったと考えられているため、生きている本物を見ることはできません。

ラザロ・プロジェクト

絶滅種のカモノハシガエルですが、現在、この種の復活を目指すプロジェクトが進行しているとのことです。

オーストラリアの博物館にはいくつかの標本がいくつか保存されていて、その標本の細胞核を元にクローン技術で再生させる「ラザロ・プロジェクト(the Lazarus Project)」という計画が始動しています。

この計画における5年間の実験では、いくつかの卵は自然に分裂、初期の胚に成長しましたが、いずれも数日の命に留まっています。

しかし、遺伝子検査の結果、分裂中の細胞にはカモノハシガエルの遺伝物質が含まれていたと言います。

プロジェクトのリーダーで、シドニーのニューサウスウェールズ大学に所属するマイク・アーチャー氏は、「失われた種は回復不能という概念を覆す」挑戦でもあると語っています。

胚の段階を超えられない理由はまだ突き止められていませんが、現在試行錯誤が続けられており、アーチャー氏はさらに語ります。

「いつかよみがえって、嬉しそうに跳ね回る。きっと実現すると思う」