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【カスピトラとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ【ペルシャトラ】

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「カスピトラ」とは

カスピトラは、別名「ペルシャトラ」とも呼ばれる、食肉目ネコ科に属するトラの仲間です。

漢字では「裏海虎」と書き、1974年に絶滅したといわれています。

体重は約200キロもあり、雄のほうがやや大きく、全長320㎜~360㎜、雌は約280㎜~260㎜と、どちらも大型です。

体表の毛皮はオレンジがかった褐色で、腹部はクリーム色をしています。

耳が小さく、顔の下半分の毛が長いという特徴があります。

特に冬の毛はかなり長く、頬と体の下の部分は立派な房のようになります。

体全体に黒から茶色の縞模様がみられます。

英語では、「Panthera tigris virgata」といいますが、virgataというのは「シマ」という意味で、トラの仲間の中でも、最も体のシマが多かったといわれています。

「カスピトラ」の分布・生息地

カスピトラは、カスピ海沿岸のカフカスからアラル海周辺と、イラン、アフガニスタン、パキスタン北部の山岳地帯にかけて多く生息していました。

生息域からも「カスピトラ」という名前がついてたことが推測されます。

12世紀では、ウクライナの草原でも見られていたようです。

主に草食動物を餌とし、草を求めて移動している草食動物を追いかけ、幅広い範囲を移動して行動していました。

基本的には夜行性で、日が落ちて薄暗くなったころに活動しますが、昼間にも活動することがあります。

他のトラの仲間と同様に、群れは形成せず、繁殖期以外は単独で生活をしています。

「カスピトラ」の絶滅した原因

カスピトラを含む、トラの仲間の絶滅種に共通してあげられているのが、人間による乱獲です。

カスピトラの毛皮や骨は、漢方薬として利用されていたことがしられており、そのため多くのカスピトラが乱獲されてしまいました。

また、乱獲だけではなく、人間がカスピトラの生息地に侵入し、その土地を開拓したこともあげられます。

カスピトラの生息地は綿花畑になり、また道路などが多く作られました。

そういった環境の変化に伴い、洪水や山火事も増え、徐々に個体数が減少してしまったようです。

そして、そういった環境の変化により、カスピトラの餌となる草食動物が減少したことも原因の一つであると考えられます。

カスピトラが生息していたソ連やイランでは、絶滅を阻止しようと法律を制定したようですが、現在において絶滅にいたっています。

「カスピトラ」の生き残りの可能性

すでに絶滅しているといわれているカスピトラですが、過去数十年にわたり目撃情報は数多く存在しています。

ですが、どれも性格な根拠が得られず、IUCNのレッドリストいおいては、現時点では絶滅したと記されています。

しかし、遺伝子分析により、カスピトラは過去にシベリアトラ(アムールトラ)の個体群から分岐した可能性が高いことが示唆されています。

2009年に行われた遺伝子学的調査では、この2種のトラがほとんど同種であるという結果もでています。

シベリアトラは、個体数は減少しているものの、まだ絶滅種ではないため、シベリアトラとカスピトラが同種であるという論文が発表されれば、カスピトラは絶滅していないことになります。

しかし、シベリアトラも、絶滅危惧種に指定されているため、種の保存に対して慎重に取り組む必要があると考えられます。